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情報の記録と引継ぎ

ご本人の希望や毎日の暮らしを、必要な人に伝えられる形で残します。大切なのは、記録を完成させることだけでなく、共有し、見直し、次の支援につなぐことです。

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「本人の思い」と「支援に必要な情報」を残す

好きなこと、苦手なこと、安心できる人や場所、これからの希望。ご本人の言葉だけでなく、表情や日々の選択から分かることも大切な情報です。写真や絵など、ご本人が伝えやすい方法を使って確かめましょう。

親御さんの願いや支援者の気づきは、ご本人の意思と区別して記録します。本人の代わりに決めつけず、確認した日や、どのように確かめたかも残しておくと引き継ぎやすくなります。

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暮らし・医療・支援を整理する

一日の過ごし方、食事や服薬、意思の伝え方、困ったときのサイン、落ち着ける対応など、普段ご家族が自然に行っていることを書き出します。

かかりつけ医、薬・アレルギー、利用しているサービス、相談支援専門員、緊急連絡先も整理しましょう。お金や契約については、収入・支出、手続きの担当者、重要書類の保管場所などを、必要な範囲でまとめます。

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まずは緊急時の一枚から

最初から立派な記録を完成させる必要はありません。親御さんが急に入院したときに困らないよう、連絡先、薬、欠かせない支援、避けてほしい対応を一枚にまとめることから始められます。

詳しい生活の記録は別に用意し、必要な人が必要な情報を見つけられるようにします。「親心の記録」のような記録帳も参考になりますが、すべての欄を埋めることより、実際に使えることが大切です。

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共有する相手と範囲を決める

記録は、書いて保管するだけでは支援につながりません。ご本人の意思や同意を確認し、家族、相談支援専門員、事業所、医療機関など、誰に何を伝えるかを考えましょう。

情報は必要な範囲に絞り、保管場所や閲覧できる人を決めます。広く共有する記録に、銀行の暗証番号や各種パスワードをまとめて載せないようにしましょう。緊急時に誰が記録を取り出せるかも確認します。

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更新と引継ぎを続ける

薬やサービスが変わったとき、卒業・転居・担当者交代のときなどが見直しの機会です。更新日と担当者を明記し、古い情報と混ざらないようにします。

引継ぎは書類を渡して終わりではありません。ご本人も参加できる形で話し合い、支援する人と実際の暮らしを確かめながら、伝わっているかを確認しましょう。サービス等利用計画や個別支援計画とも、必要に応じて情報をつなぎます。

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人生会議(ACP)で大切にしたいこと

人生会議は、ご本人が大切にしていることや、これから受けたい医療・ケアについて、家族や信頼できる人、医療・ケアの担当者と繰り返し話し合い、共有する取組です。話すことを無理に求めず、ご本人のペースや伝え方を大切にします。

気持ちは変わってかまいません。その時々の希望を確認し直します。人生会議の記録は、遺言書や財産管理の契約とは別のもので、記録だけで誰かに医療への同意権限が生じるものでもありません。医療に関することは医療・ケアの担当者と相談して進めましょう。

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記録と制度、それぞれの役割を生かす

暮らしの記録は、ご本人を理解して支えるための手がかりです。一方、財産の承継や契約などには、遺言・信託・成年後見等の検討が必要な場合があります。一冊のノートですべてを済ませようとせず、必要な専門家と役割を分けて準備します。

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家族で話し始めるきっかけをつくる

将来の話を急に切り出すのが難しいときは、見学や勉強会で知ったこと、遺言や記録帳を準備することなどをきっかけにできます。一度に結論を出そうとせず、「今、心配なこと」「本人が大切にしていること」から共有してみましょう。

きょうだいにも、自分の生活や思いがあります。役割を決めてから伝えるのではなく、本人の意向を大切にしながら、どこまで関われるかを一緒に考えます。家族だけでは話しにくい場合は、信頼する支援者に同席を相談する方法もあります。

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お金の使い方に込めた希望も残す

必要な生活費だけでなく、本人が楽しみにしている外出、食事、趣味なども記録します。何に使うと喜ぶのか、本人がどのように選んでいるのかが分かると、将来の支援者が暮らしを考える手がかりになります。

記録した希望は、財産管理を担う人だけでなく、日頃の様子を知る支援者とも必要な範囲で共有します。ノートの記載だけで支出が必ず認められるわけではありませんが、本人の意思と実際の暮らしに沿って話し合う材料になります。
 

 

参考:厚生労働省「人生会議」
厚生労働省「相談支援」

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​​代表行政書士 小網智子(こあみともこ)

兵庫県行政書士会(22301017号)

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